Text_Viola Kimura
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40周年を迎えたBEAMS。今後はどんな展開をしていくんでしょうか。
「TOKYO CULTURE STORYと題して、東京のこれまでのファッションストーリー(?)をまずは映像コンテンツとして発信し、続けて書籍も発売しました。また、各店舗にMADE IN JAPANのものを集めたコーナーづくりもする予定です。そして、東京発信のアーティストたちの作品やコラボレーション企画も考えています。海外ではポップアップで既にロンドン、パリ、北欧でMADE IN JAPANあるいは東京デザイナーの商品を扱う発表会を開催しています。それはうちにある商品だけではなく、新しいデザイナーのみなさんにとって良い機会としていただけるよう、世界で活躍していきそうな方々をお連れしていっています。アメリカで、海外向けにBEAMSを紹介する英語版の書籍も発売します」
その背景にある思いについても聞かせてください。
「ファッションを巡るカルチャーシーン全体の元気がなくなってきていると感じます。ファッションは本来ハッピーな要素だったり文化発信の重要な要素であったのが、今はITの発展によってデジタルの要素が強くなってきています。本当に大事なものはストリートで湧き上がってくるリアルなカルチャーだと思うんです。それは人と人との触れ合いやリアルな体温や愛情があってこそ。BEAMSはコレクションに登場するようなスーパーブランドでもなければファストファッションでもありません。言わば中間的な存在ですが、中間の担い手は五万といる。そのなかで自分たちは“コミュニティブランド”になっていきたいと考えました。“BEAMS”がブランドの名前でも店の名前でもなく、“ここにいる面白い集団”、何かを残す我々でありたいと思ったんです。それがうちのスタッフであり、ブレインであり、取引先であり、お客さま。これから面白いことを起こしていきそうな集団、それが“BEAMS”であると。それはセレクトショップでなくてはできないことです。発足時から、ファッションだけでなく街おこしなど色々な取り組みをやってきました。そんななかで、ストリート、ファッション、音楽の変遷がいかに繋がっているかを体感してきましたので、それを映像作品や書籍にまとめたのです。僕たちがこれをやろうと言ったときに、あらゆる人やブランドが載りたい!と言ってくださって、自分たちがそういう風に思っていただける存在になったことを再認識させられました」
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設楽 洋(したら よう)
1951年、東京都新宿生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、電通へ入社しプロモーションディレクター、イベントプロデューサーとして活躍。1976年、父・設楽悦三とともにBEAMSを設立、原宿に6坪のAMERICAN LIFE SHOP BEAMSをオープンする。1988年より株式会社ビームス、株式会社ビームス クリエイティブの代表取締役となる。
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