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VOICE 31. | 2015.July | Ako Tanaka

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杏子さんにとっての理想の女性像とは?

 

 

「ソフィア・ローレンはいくつになっても女性らしくて素晴らしいなと思います。いつまでも頭のてっぺんから足の先まで女らしさを失わないでいるのはすごい。ケイト・モスも素敵ですよね」

 

 

 

お仕事と子育ての両立について聞かせてください。どういう風にマネジメントされているんでしょうか。

 

「本当はずっと娘と一緒にいたいんです。でもそれは働いている限りかなわないので、学校のお弁当を作ることで気持ちを消化しています。毎朝、必ず。それが私の唯一の、子どもの胃袋を自分の料理で満たす、かけがえのないタイミングなので。ハンバーグなんて、肉のかたまりをバイタミクスでミンチするところからやっているんですよ(笑)。土日はなるべく仕事を入れないようにして、手作りのごはんを心がけています。数少ない一緒の食事時間をとても大切にしています」

 

 

 

働きながら出産して子育てもしたいという女性に、なにかアドバイスはありますか?

 

「『ロンキャリ』って言葉がありますよね。『ロングキャリア』の略で、キャリアを長い目で見て人生設計するって考え方なんですけど。もし子どもを産むタイミングがあるのであれば、早く産んでおく方が楽です。後にしようって思っていると、どんどん責任の大きいポジションに就いちゃうから子どもを作りにくくなります。そして、やっぱり欲しい! と思ったときには産みにくい環境になっている。子どもも欲しくて仕事も頑張りたいならば、産みやすいときに産んでおいて、子どもをほかに預けながら、自分のキャリアを長い時間をかけて築いていくっていうのは、やり方としてはありかなと思います。そしてひとりで抱えこまないで、多くのひとの手を借りる。子どもを産んで仕事をしていくならば、ひとの助けがないとやっていけないんですよ。助けてもらえるひとに助けてもらえばいい。私の場合は幸いにも、母親が48時間態勢でうちの娘をみてくれるので、私が夜中に帰ろうと、一晩中編集部で仕事をしていて帰れなくても、娘はちゃんとごはんを食べてお風呂に入ってスヤスヤ寝ています。そこに甘えて働いていますね。助けてくれる人がいないから、あきらめようかな、と悩むかもしれませんが、産まれてくるとなんとかマネジメントできるようになります。子どもを産むと、強くなりますしね」

 

 

 

これからお仕事でやってみたいことって何かありますか?

 

「とにかく『Numéro TOKYO』をもっともっと成長させたい。自分のなかでまだ成功したって位置にいなくて、まだまだ過程でしかないので。この媒体を、もっと面白いものを発信できるものにしていきたい、っていうのが一番大きい。あとは先日、伊勢丹新宿店本館1階のザ・ステージに1週間オープンしたワコールのPOP UP STOREを全部ディレクションさせてもらったんですけど、立体的なイベントをディレクションするのがとても楽しかったので、また挑戦してみたいなと思っています」

 

 

 

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田中 杏子(たなか あこ)
『Numéro TOKYO』編集長。ミラノでデザイン、パターンを学び、スタイリスト、ファッション・エディターとして雑誌や広告で活躍する。1991年に帰国し、東京でのキャリアをゼロから開拓。スタイリストとして仕事の幅を広げた後、ファッション・エディターとしてモード誌の編集の職に就く。2005年に『Numéro TOKYO』編集長となり準備室を開設、2007年に創刊。同時に出産も経験する。いわゆる編集長としての役割を果たすだけでなく、同誌でのスタイリングや、他ブランドのアドバイザー、ディレクションも行う。著書に『AKO’S FASHION BOOK』(KKベストセラーズ社)。

 

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