オープン時から丸の内ハウスのマネージャーの玉田泉さんはハウスの隅の隅まで知り尽くす、丸の内ハウスの顔。
今日も私サカキが玉田さんと一緒に飲み歩きます。
玉 田:今日は臼杵さんと一緒に沢村のカウンターで話しましょう。
臼杵さんは丸の内ハウスのオープン時から音楽の担当で、DJやライブのブッキングをはじめ、BGMの選曲もしてくれているの。
サカキ:臼杵さん、久しぶりですね。いつも丸の内ハウスはどこのお店に行くのですか?
臼 杵:いつもいろいろかなぁ。最近は季節柄フローズンマルガリータに凝っていて、来夢来人のものは完璧だと思う。これ一杯で十分って。でもこの間一杯飲んだらとまらなくなって飲み比べしたり、結局飲み過ぎたなぁ…。
玉 田:今日みたいに夕方からちょっと一杯飲むのって好き。夕焼けをみながら、まだみんな働いているなぁって思いながらのシャンパンって。もちろん、たまにだけどね。そういう時の音楽ってとても大事。
臼 杵:丸の内ハウスのBGMは季節ごとに変えているのだけれど、そのシーンを思い浮かべながら選曲してます。スローな朝からスタートして、賑やかなランチタイム、ちょっとゆったりとした午後を過ごして、徐々に夜に向けて盛り上げてゆく。BGMを聞いて知らず知らず気分が高揚してくれるといいなぁと思いながら選曲してます。
サカキ:オープンの11時からクローズする深夜4時までの分ずっとですか?
臼 杵:17時間分の選曲。でも日曜日は夜11時までなので、月曜日の朝に本当は最初からスタートさせないといけないのを、スタッフの人が間違えてそのまま続けて、ブルーな月曜日の朝からノリノリなときもあったりして。
玉 田:臼杵さんはどうして音楽の世界に入ったの?
臼 杵:小学校の頃から洋楽が好きで、クラスで一人だけしか話の合う子がいなくて、二人で映画のサントラの話しも良くしました。小さな恋のメロディやサウンドオブミュージックは何千回聞いたかわからないくらい。中学生で映画 AMERICAN GRAFFITIからロックンロールを知り、その後ハードロックに移るんですが、同時にSOULとDISCOも来てしまうんです。音楽だけじゃなくてファッションやアメリカのカルチャー全体にも影響されましたね。元々はファッション業界に居たのですが、ある仕事が一区切りした時に前から住みたくてたまらなかったニューヨークに、そうだ!行かなくちゃ!と思って迷わず行ってしまいました。1984年から89年くらいの時期かな。
サカキ:その頃のニューヨークって相当おもしろかったんじゃないですか。
臼 杵:特にイーストヴィレッジのセントマークスがあこがれのエリアで、気がついたら住んでいました。コーディネートやビームスのバイヤー、イベントに出たり、クラブにかよったり。クラブシーンはカッコ良かったなぁ。そのころ流行っているレストランに行く度にBGMの音楽がとても気になってました。かっこいい店にはかっこいい音楽が流れてるんですよね。既にDJブースがあるレストランもありました。音楽でその空気を作っていたと言ってもいいくらい。ニューヨークのレストランの本気度に感動しました。
玉 田:そのあとGOLDによばれるんだ。
臼 杵:たまたま帰国のタイミングにもあって。GOLD のオープン時から企画などをやらせていただきました。ニューヨークで見聞き体験したことがそのまま仕事になった感じ。 当時はニューヨーク帰りの人も多かったから、話がすぐにあって、どんどん実現していった。
サカキ:臼杵さんもDJやるのですか?
臼 杵:昔、ちょっとだけ。実は私、ミック•ジャガーのプライベートPARTYでもプレイした事あるの、信じられないよね。DJ の面白さって何億という数の曲があって、その中から 1 曲選ぶ。今この場にどんな曲がふさわしいかを考え、チョイスする。すごいシンプルなことだけど、とても難しいし、その 1 曲で雰囲気が全て変わっちゃうの。だからやっぱりDJってすごいよね。
玉 田:やっぱりそういうライブ感って大切。
サカキ:素人にも楽しめる初心者向けのDJの人っていますか?
臼 杵:丸の内ハウスは毎週木曜日と金曜日にDJが入るけど、みんなそれぞれの個性があって面白いと思う。特に初心者向け・玄人向けっていうこともないけど、夏はレゲエ中心のDJも入ったりしますし、ユナイテッド•アローズの栗野さんのDJはとにかく素敵です。栗野さんは自分のお友達を丸の内ハウスでもてなすのが好きとか。嬉しいですよね。あと、LUIGERは20代なのに、昭和歌謡なの。
サカキ:昭和歌謡!好きだなぁ。
臼 杵:70年代から80年代の昭和歌謡って曲の作りがまるで洋楽でそこに日本語なので、結構面白い。特に彼はLPでプレイするのでB面の3曲目とかマニアックなセレクトを上手に繋げちゃうのが凄い。
玉 田:丸の内ハウスならではでしょ。今度は木曜日・金曜日に音楽聞きながら飲みましょう。 →詳しくはこちら
臼杵さんチョイスの一枚(写真) 「MICHAEL JACKSON / OFF THE WALL」1979年リリースのMICHAEL が EPIC 移籍後の初ソロアルバムです。あの QUINCY JONES との作品。とにかく彼の才能があふれています。そして全てが良い曲。私はちょうど文化服装学院の学生でした。今までの SOUL とはまた違う、POP で DISCO の要素も入った洗練された曲ばかりでした。今聞いても最高。
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