Text_Yasuyuki Ouchi
今回のゲストは、日本で最も有名なドラッグ・クィーンのひとりで、歌手やタレントとして活躍中のミッツ・マングローブさん。ここ丸の内ハウスでは、ハウスの中でも異彩を放つ昭和ムードのスナック「来夢来人」のママとしてもお馴染みだ。
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「以前は定期的にお店に居ましたが、今は気分で居たり居なかったりって感じですね。経営者ではなく、あくまで看板娘的なポジションなので。私が居るか居ないかは、来店していただいてからのお楽しみです(笑)」
オープン当初からお店に居たミッツさんは、今年で7周年を迎えた丸の内ハウスをどのように見続けてきたのだろうか。
「新丸ビルの中でもある意味丸の内ハウスは異質なフロアで、その中でも「来夢来人」はさらに異質なお店だったので、その空間演出の一部になることが私の役目でした。ハウス自体はコンセプチュアルなレストランゾーンだなと思いましたが、当初は丸の内という街にオカマが存在する土壌もありませんでしたし、あまり「来夢来人」からも出ることがなかったので、正直、新丸ビルのことも丸の内ハウスのことも、ちゃんと知ったのはここ数年のことです」
今では丸の内ハウスの中でも、特別な空間としてその地位を築き上げている「来夢来人」だが、オープン当初は丸の内という街に苦戦したという。
「最初の1年間くらいは本当に大変でしたね。「いらっしゃいませ」って言っても戸惑われることもありましたし。当時は丸の内で「遊ぶ」という文化自体がなかったと思うので、それは仕方がないことですけど。ただ、丸の内で働く方々は順応性が高いので、1年後にはガラッと変わってきました。今は街も人も、“丸の内で遊ぶ、飲む”ということがかなり定着してきたと思います」