Text_Naoyuki Ikura
丸の内ハウスのレギュラーDJとして、夜のフロアに心地良い音楽を提供してくれているASHRAさん。本格的なDJ活動をスタートさせてまだ数年とキャリアこそ浅いものの、飛ぶ鳥を落とす勢いで頭角を現し、今後ますます注目のフィメールアーティストだ。そんな彼女の目に映る、丸の内ハウスという空間について。
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「どちらかというとオフィス街のイメージが強かったので、丸の内に遊びに来ることはありませんでした。東京駅を利用する際の待ち合わせや観光で少しだけ立ち寄った程度。しかし実際に足を運んでみると、キレイな街並にハイセンスなショップが建ち並び、雰囲気の良いレストランやカフェ、素敵なバーもあったりと、印象が随分と変わりましたね」
ASHRAさんが丸の内ハウスで最初にプレイをしたのは、2013年9月。ファッションと丸の内ハウスとの関係性を、より進化&深化させることをテーマとするイベント〈PEACEFUL JOURNEY〉の記念すべき第1回のことだった。
「実は、それまで丸の内ハウスには来たことがなかったんです。もちろん、このフロアの存在自体は以前から知っていましたし、仲間がDJをすることもあったので噂だけは耳にしていました。そうそうたる先輩DJが出演し、空間としても洗練されていて、カッコいい大人たちが夜な夜な楽しんでいると聞き、とても興味がありました。そうした素晴らしい場所でプレイできる機会をいただき、嬉しく感じた反面、少し緊張したことを憶えています」
そして初めて訪れた丸の内ハウス。その際のファーストインプレッションはどんなものだったのだろう。
「いわゆるショッピングビルや百貨店のレストランフロアとはまったく違うなと。それぞれのお店がとてもオープンな作りになっていて、廊下やテラスにまで席があり、そこで食事ができる、今まで見たことのない空間でした。またクラブの場合は防音面などの問題から、どうしても地下や閉鎖的なスペースになってしまいますが、丸の内ハウスは外周が大きなガラス張り。丸の内のキレイな夜景が視界に入るので、DJをしていても開放的で気持ちがいいですね」
今ではすっかりお気に入りの場所となった丸の内ハウス。プライベートで足を運ぶことも増えたという。
「気候が良いときは、テラス席でお酒を飲みながら過ごすのがお気に入り。先輩DJの選曲に耳を傾けながら、勉強させてもらっています。先日、ふらりと立ち寄ったら沖野(修也)さんがイベントをされていて、それはそれは盛り上がっている光景を目の当たりにし、刺激を受けましたね。またユナイテッドアローズの栗野(宏文)さんのときは、“ ラブ&ビューティフル縛り ” で選曲されていたり。あとは自分の出番前に、新丸ビルのセレクトショップをチェックしてから、ここ7Fに来ることもしばしば。で、友達と合流してレストランで腹ごしらえを済ませ、DJブースに入ったり。アチコチにお邪魔しますが、なかでも『SO TIRED』『HENRY GOOD SEVEN』『沢村』の利用率が高いですね」